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部位・テーマ別ポイント集 自然素材を使ったリフォーム編

エコで楽しむ住宅改修(10)節水と雨水利用

節水と雨水利用(自然を守る、家計も助かる)

雨水貯留タンク

雨水貯留タンクの設置

 毎日の生活のみならず生命の維持そのものに欠かせない水。エコ住宅にとっても水の利用と処理は大切な項目です。蛇口を回せば自動的に水が出ます。それも飲むことができる程きれいな水です。そして、使った後の汚れた水は下水道に流れどこかへ行ってしまう。このことを私達は当たり前のことと思っていないでしょうか。

 水道の水が住宅に届くまでには、ダムを建設し貯水池に水を溜め、浄水場で濾過・殺菌し配水管をたどってきます。その間にポンプで水を送ったり圧力を高めたりするために電気エネルギーを使います。従って、水道の水を使うことはエネルギーを消費することであり、場合によっては川の生態系を壊した犠牲の上に成り立っていることなのです。

 従って、これら水利用での環境負荷を減らす、又はこれ以上増やさないためには水を節約することが大切になります。「節水」は省エネルギーと同様に、まず無駄をなくすことが最初です。流し放しや必要以上の水を使うことをやめることです。一度使ってあまり汚れていない水は、他の目的に使えます。風呂の残り湯を洗濯や掃除に使えます。水洗便所に水道水を使うのは、本当はもったいないことです。節水型の洗濯機や節水コマの利用なども有効です。

 自宅で獲得できる水もあります。昔は大抵の家に井戸がありました。井戸水は夏にひんやり、冬は冷たく感じません。もし今も井戸があれば素晴らしいこと、大いに活用しましょう。

 井戸がなくても雨水が使えます。集合住宅では全体として計画しないと難しいでしょうが、戸建てなら雨水をためるタンクを設けることができます。本格的なものは地下に鉄筋コンクリートや強化プラスチックの貯水槽を設け、ポンプで汲み上げ濾過して利用します。簡易なものはドラム缶大の雨水タンクが市販されています。付属の架台を用い地上に置くだけ。縦樋の中間を切りとり取水装置を取り付け、樋を流れる雨水を取り込んでタンクにためます。一杯になればそれ以上入らない単純な仕組みです。雨水に含まれる汚れはタンクの底に沈殿し、少し上に設けられた蛇口からは澄んだ水が出ます。雑巾洗いや植栽への水遣りには十分です。我家で利用する雨水の量は限られていますが、節水意識を大いに高めてくれました。

 水道料金も基本料金と従量料金の合計で、後者は1m3当たり200円前後。仮にひと月10m3消費が減れば、下水道使用料を含め3000円近い節約となり家計も助かります。電力や都市ガスの記録を取るついでに水道メーターを見ましょう。一般的に水道の検針・請求は2ヶ月に1回なので消費量はピンと来ませんが、毎月自分で検針すれば、もっと敏感になれるはずです。

 我家の水道使用量は、月平均で13m3程度です。4人家族の標準が25m3前後ですから、家族3人でもかなり少ないと思います。その理由は、家族の心がけ、節水器具の使用、雨水の利用、それにシャワーだけで済ませることの多い入浴スタイル、などにあるのでしょう。

 最後に雨水の地下浸透について少し。建物や舗装面に降った水は、ほとんど土にしみ込まず川や下水に流れてしまいます。その結果、水の蒸発が減り乾燥し、都市のヒートアイランド現象の一因にもなっているのです。宅地に降った雨を少しでも利用するとともに、できるだけ舗装面を減らし土に吸い込ませるよう工夫しましょう。樹木が地中の水を吸い上げて蒸散させ、成長するとともに都市の砂漠化が防げます。屋根なしのカーポートは全面舗装せず、砂利敷きの上に平板や煉瓦を置くなど水がしみ込みやすくするのも、自分で出来る一つの方法です。

 水をエコロジーの視点で見直すことで色々なことが分かり、やるべきことも見えて来ますね。


著者紹介

濱 惠介

濱 惠介 (はま けいすけ)
大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 研究主幹
1968年 東京大学工学部都市工学科卒業、日本住宅公団(住宅・都市整備公団)入社。
住宅建設、居住環境整備に携わる。関西支社建築課長、本社建築部設計課長等を歴任。
その間、東京大学工学部非常勤講師、フランス政府給費留学、インドネシアでの技術協力など。
1998年より現職。

わが家をエコ住宅に

著書:
「わが家をエコ住宅に」
学芸出版社